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2005/08/22

島唄とひめゆり

宮沢和史の旅する音楽 その1 たった一人のために

 「島唄」は、本当はたった一人のおばあさんに聴いてもらいたくて作った歌だ。
 91年冬、沖縄音楽にのめり込んでいたぼくは、沖縄の「ひめゆり平和祈念資料館」を初めて訪れた。そこで「ひめゆり学徒隊」の生き残りのおばあさんに出会い、本土決戦を引き延ばすための「捨て石」とされた激しい沖縄地上戦で大勢の住民が犠牲になったことを知った。
 捕虜になることを恐れた肉親同士がお互いに殺し合う。極限状況の話を聞くうちにぼくは、そんな事実も知らずに生きてきた無知な自分に怒りさえ覚えた。
 資料館は自分があたかもガマ(自然洞窟)の中にいるような造りになっている。このような場所で集団自決した人々のことを思うと涙が止まらなかった。
 だが、その資料館から一歩外に出ると、ウージ(さとうきび)が静かに風に揺れている。この対比を曲にしておばあさんに聴いてもらいたいと思った。
 歌詞の中に、ガマの中で自決した2人を歌った部分がある。「ウージの森で あなたと出会い ウージの下で 千代にさよなら」という下りだ。「島唄」はレとラがない沖縄音階で作ったが、この部分は本土で使われている音階に戻した。2人は本土の犠牲になったのだから。
 (みやざわ・かずふみ。66年生まれ。歌手)

2005年8月22日 朝日新聞

今日の朝刊からの転載である。

『島唄』は世界的にも有名で、私も大好きな曲ではあるが、その歌詞の内容については、普遍的な人生を語ったものか、悲恋物語かな、位にしか考えていなかった。
このコラムを読んで、初めてそこに込められている想いを知った。

THE BOOMのファンにはこの話は常識なのだろうか?と思って、ネットでいくつか検索してみたが、この唄の意味を知って驚き感動した、というようなサイトが多い所からして、宮沢さんと言う方は、普段はあまりこういった歌詞の説明をされていないのだろう。アーティストのスタイルとして、それは構わないのだが、今後はぜひ積極的に、この話をしてもらいたいと思った。
『ひめゆりの体験談が退屈だった。』なんていう無神経な入試問題がでる今日、島唄が、若い世代が沖縄戦について関心を持つキッカケになれば、きっとそのおばあさんも喜ぶだろう。

ちなみに、初めてこの曲をテレビCMで聴いた時、「シマウマ」の歌だと思った事は内緒だ。

<追記>
いくつかのWeb SiteやBlogで、『島唄の歌詞の意味』と題して、歌詞全文分を掲載しているところがあるが、宮沢氏は以前どこかで、自身でそういったものを発表されているのだろうか? どうも内容的に、上記のコラムと相容れないように感じるモノもあるのだが・・・。

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コメント

三線の練習をしている者です。「島唄」の練習を始めるにあたって意味を調べていて、こちらにたどり着きました。
他のサイトにも同様の記事は多いのですが、過度に熱くないところに好感を得まして、掲載されていた宮沢和史さんの記事を自身のブログに引用させて頂きました。歌の背景を忘れずに練習に励みたいと思います。
ありがとうございます。

投稿: | 2007/05/20 22:30

ごめんなさい、掲載先URL掲載を忘れました。こちらです ->
http://sanshin-log.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/the_boom_be67.html

投稿: fjTiti | 2007/05/20 22:34

fjTitiさんこんにちは。コメントとリンク、ありがとうございます。
三線を練習中との事、楽器がカラキシ駄目な私には、それだけでも羨ましい話です。

さて、『過度に熱』い他のサイトについては私も違和感を感じる所がずいぶんありました。そしてこの違和感は、この曲の歌詞の解釈を、当時沖縄を『本土決戦を引き延ばすための「捨て石」』にした、その本土の立場から試みている事から発生している、と思っています。

宮沢和史さん自身本土の人間ではありますが、それでもこの曲は、琉球という独自の歴史と独特の文化を持ち、先の戦争で『捨て石』にされた沖縄側からみるべきでしょう。この視点は上記の宮沢さんの記事を見る限り、間違っていないと信じています。

自分で三線を演奏して、この唄を歌えたら素敵でしょうね。練習頑張ってください。
でも、『過度に熱』くなり過ぎませぬように(^^)。

投稿: Q | 2007/05/22 01:20

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