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2007/09/02

キリバス、悲しき決断

「我が国は海に沈む」キリバス大統領が全10万人移住計画

 【タラワ(キリバス)=仲川高志】地球温暖化に伴う海面上昇により、国土が水没の危機にひんしている太平洋の島国キリバスのアノテ・トン大統領(55)は本紙と会見し、「我が国は早晩、海に沈むだろう」と明言。

 国家水没を前提とした上で、国民の脱出を職業訓練などの形で側面支援するよう、日本など先進各国に要請した。

 首都タラワの大統領官邸で、30日、インタビューに応じたトン大統領は、キリバスの水没は不可避との見方を強調、「小さな我が国には海面上昇を防ぐ手だてなどなく、どうしようもない」と述べた。国際社会の取り組みについても、「温暖化は進んでおり、国際社会が(2013年以降のポスト京都議定書の枠組みなどで)今後、どんな決定をしても、もはや手遅れだ」と明確に悲観論を展開した。

 また大統領は、温暖化に伴う海面上昇について「国民の平穏な生活を奪う『環境テロ』」と強く非難。京都議定書に参加しない米国、オーストラリアを名指しで挙げ、「我が国は存亡の危機にひんしているのに、高い経済水準を保とうとしており、極めて利己的だ」と批判した。

 大統領は、10万人近くに上る国民すべての移住政策を、政府がすでに本格的に検討していることも明らかにした。大統領は、「たとえ受け入れ国で人気のない職業でも構わない。『環境難民』ではなく『熟練労働者』として移住させたい」と希望を表明。そのためには、まず、キリバス国内で職業訓練や語学習得を行う必要があるとして、日本や米国、オーストラリアなどに支援を訴えた。

 側近によると、トン大統領は、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第4次評価報告書を重視。今世紀末に世界の平均海面水位が最大59センチ上昇するなどとした同報告書を「根拠」に、見通しを立てているという。

 ◆キリバス

 太平洋の赤道直下、東西約3900キロ・メートルにわたって点在する33の環礁から成る。ほとんどが海抜3.5メートル以下。人口は約9万9000人(2005年推計)。

(2007年9月1日9時57分 読売新聞)

自分たちの落ち度でもなければ、自分たちに何らかの恩恵がある訳でもないのに、故郷が海に沈み行く事を受け入れなければならないとは、なんと悲しい話だろう。トン大統領の言う通り、アメリカとオーストラリアはその利己主義を恥るべきだ。

また、私を含め、日本に暮らすわれわれも、この事については罪を負うべきだろう。便利な生活に慣れきっているわれわれは、便利さを追求するあまり日頃どれだけ無駄にエネルギーを使っているか、意外とわかっていない。例えば、日本全国どこにでも置いてある自動販売機全部が使う電気をあわせると原発一つ分になるという。

かと言って、一度手に入れた利便性、快適さは、なかなか手放せないものだ。今年の夏は温暖化を心底実感できる暑さであったが、だからクーラーを使わないで温暖化を防止しよう、という人よりも、温暖化は二の次、とにかく今はクーラーの設定温度を下げてしまえ、という人の方が多かったと思う。クールビズだチームー6%だとやってはいるが、エネルギーの浪費を抑えようという機運が高まっているとは言いがたい。

以前にも似たような事を書いているが、やはりこういった事を解決しようとする際には豊かな想像力が必要となる。温暖化が自分たちの生活や将来にどう影響するのか、といったことを考えるのは当然だが、なによりキリバスの人たちの立場で考えてみる必要があると思うのだ。よその国の連中がのうのうと暮らすツケで、自分の故郷が海に沈む。なんとも受け入れがたい話ではなかろうか?

しかし想像してみろと言われても、キリバスなんて国、聞いた事すらないのに感情移入なんかできるか!という方も多いだろう。私自身、キリバスに行った事はない。だがキリバスの人たちに直接接した事はある。2000年のニューカレドニアと2004年のパラオで行われたFestival of Pacific Arts、太平洋芸術祭の会場でだ。彼らが見せてくれたパフォーマンスは私のお気に入りの一つである。マスゲームのようなユニークな振り付け、女性の滑らかで可愛らしい腰の動き、そして美しいハーモニーを聞かせるその歌声。あまり画質のいい映像ではないが、YouTubeに2004年パラオ大会でのキリバスのパフォーマンスをUpしました。ぜひご覧になってください。10分きっちりあります。

こういった文化や芸術といったものは、多分にその生活環境に影響をうけている。それでなくても人口が多いわけではないキリバスが、その祖国を失い、移住先で人々が散り散りになってしまえば、あっという間に廃れてしまうだろう。それだけでも大変もったいない事だし、人類全体としても大きな損失だと思う。この映像をみて、素晴らしいと思ったあなた。明日から空調の温度設定には気をつけてみてください。

地球温暖化の影響による海面上昇のせいで国土が沈む国としては、同じく太平洋の環礁からなる国、ツバルも有名だ。こんな写真集も出ているのでこちらも機会があったらご覧になってください。こんな倹しい生活の彼らが、なぜ土地を追われないといけないのか? やはり深く考えるべきではないだろうか?

また、かれらのパフォーマンスもとても素晴らしい。集団でのタライドラミングと美しいハーモニー。そして、女性達のくったくのない明るい表情と愛らしい仕草。こちらも2000年ニューカレドニア大会でのパフォーマンスをYouTubeにアップしたので、ぜひご覧になってください。

こちらが2004年、パラオでのキリバスのパフォーマンス。

こちらが2000年、ニューカレドニアでのツバルのパフォーマンス。

※The 10 th Festival of Pacific Arts、
 第10回太平洋芸術祭は、
 来年2008年7月から8月にかけて、
 アメリカンサモアで開催されます。
 詳細はこちらのリンク先をご覧ください。

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引き続き@niftyをご愛顧の程、よろしくお願い致します。
ありがとうございました。

        @nifty「旬の話題ブログ」スタッフ

投稿: 「旬の話題ブログ」スタッフ | 2007/09/04 10:49

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