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2007/12/20

『飲酒運転』の定義を変えよう

3児死亡で危険運転罪見送り 福岡地裁、業過致死適用か
2007年12月18日13時32分

 福岡市東区で06年8月、幼児3人が死亡した飲酒運転事故で、危険運転致死傷などの罪に問われた元同市職員今林大(ふとし)被告(23)について、福岡地裁は18日、予備的訴因として業務上過失致死傷罪と道路交通法違反(酒気帯び運転)を追加するよう検察側に命じた。検察側は危険運転致死傷罪と道交法違反(ひき逃げ)の併合罪で最高刑の懲役25年を求刑していたが、地裁は危険運転致死傷罪の適用は困難と判断したとみられる。

 危険運転致死傷罪(最高刑懲役20年)とひき逃げとの併合罪は最高刑が懲役25年。これに対し、業務上過失致死傷(同5年)と酒気帯び運転、ひき逃げの併合罪は同7年6カ月(今年6月の法改正で15年に引き上げ)。適用できる最高刑に3倍以上の開きがある。

 変更命令について、検察側は「適切に対応したい」としているが、応じない場合、地裁は危険運転致死傷罪については無罪を言い渡すとみられる。検察側は予備的訴因の追加に応じるか、それとも危険運転致死傷罪について補充して立証できるかを検討する。

 事故直後の飲酒検知で今林被告から検出されたアルコールの濃度は、酒気帯び運転の水準にとどまる呼気1リットル当たり0.25ミリグラムだった。

 このため、公判では今林被告が事故当時、危険運転致死傷罪の適用要件である「アルコールなどの影響で正常な運転が困難な状態」だったかどうかが争点になった。

 検察側は、今林被告は事故前に多量の酒を飲んで泥酔状態だったと指摘。事故直前まで急ブレーキなど衝突を避ける措置もとっておらず、「飲酒の影響で正常な運転ができない状態だったことは明らかだ」と主張していた。

 被告、弁護側は事故前に酒を飲んだことは認めながら、「正常な運転ができないほどではなかった」と反論していた。

 起訴状によると、今林被告は06年8月25日夜、酒を飲んで乗用車を運転し、福岡市東区の海の中道大橋で、大上哲央さん(34)のRVに追突。海に転落させて逃走し、大上さんの長男紘彬(ひろあき)ちゃん(当時4)、次男倫彬(ともあき)ちゃん(同3)、長女紗彬(さあや)ちゃん(同1)を水死させ、大上さん夫妻に軽傷を負わせたとされる。

    ◇

 訴因変更 検察官が公判の途中で、起訴状に記載した事実の範囲内で該当する罪名を変更したり追加したりすること。裁判所は訴因に対してしか判断できないが、刑事訴訟法は、審理の経過をみて適当と認めたときには検察官に訴因変更を命じられると定めている。例えば、ほかの訴因に変更すれば明らかに有罪なのに、検察官の主張する訴因のままだと無罪になると判断した場合などに変更を命じるケースなどが想定されている。ただし、検察官は命令に従わなくても構わないとされる。

asahi.com

また飲酒に関わる交通事故の裁判。事故当時の加害者の心身の状態が争点になっているわけだが、

被告、弁護側は事故前に酒を飲んだことは認めながら、「正常な運転ができないほどではなかった」と反論していた。

ってのは、ロジックとしてどうなんだろうと思う。

確かに、この事故の加害者は事故直後、被害者救助を放棄して現場から逃げ出しただけでなく、自分が飲酒運転である事から知人に携帯電話で身代わりを頼んだり、水を持ってきてもらってアルコール検査の前にそれを飲み、証拠隠滅を計ったりした事が報じられている。あえて皮肉を言わせてもらえば、それだけ色々と自己保身を画策できたのだから、弁護側が言うように「正常な運転ができないほど」酔っぱらってはいなかったのかもしれない。

しかし基本的に、お酒を飲んだら人間の身体は何らかの影響を受ける。その状態では正常な運転をすることができないからこそ、飲酒運転というのは罰せられるのではないか?

危険運転致死傷罪の適用に必要な要件の「アルコールなどの影響で正常な運転が困難な状態」とは、道路交通法でいうところの酒酔い運転にあたる。道路交通法において飲酒運転は『酒酔い運転』と『酒気帯び運転』の2段階に分類され、酒気帯び運転はさらに呼気中アルコール濃度が『呼気1リットル当たり0.25ミリグラム』以上か以下かで違反点数が変わる。どういう理由でこのようなランク分けがあるのかは知らないが、今回のような裁判の報道を見ると、やはり飲酒運転の定義そのものを変えるべきではないかと思う。

飲酒運転は程度の差があっても酒酔い運転で、これすなわち危険運転である。

これくらい単純、厳格にやっていいんじゃないか?

上記記事では事故直後に警察がアルコール検査を行ったことになっているが、事故発生から30分以上経ってからという報道もある(追記:08/01/09の朝日新聞朝刊社説によると『事故から1時間近くたってから』との事)。事故後の加害者の行動を考えると、後者の方が信憑性が高く、当然アルコール濃度も事故時はもっと高かった事が予想できる。飲酒運転事故が厳罰化されてから、アルコール濃度を下げる時間稼ぎの為のひき逃げが増えたそうだが、やはりそういった意味からも、飲酒運転の定義は単純化するべきではないだろうか。このままだとこれからも、今回のような被害者遺族にとって辛い裁判が起きるに違いない。

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