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2008/04/29

夜の歌声

ここ数日、夕方から朝方にかけて『ボボーッ、ボボーッ』と低く響く鳥の鳴き声が聞こえるようになった。暗くてその姿は確認できないが、家にあった野鳥観察図鑑からすると、おそらくフクロウかアオバズクか、と言った所らしい。繁殖期のようで結構頻繁に鳴いていて、静かな夜の心地よいBGMとなっている。東京のど真ん中で暮らしていた20代の頃は何とも思わなかったが、年喰ったせいか、こうした自然が身近に感じられる住環境というのはやはりいいものだとしみじみ感じる。

私の住んでいる町は、もともと山だった所を切り崩して造成した住宅地だ。家の裏には畑が広がり、その先の下りの斜面には山だった頃の名残の雑木林がある。いずれも我が家の猫連中の格好の遊び場になっていて、困った事にしょっちゅう野ネズミを捕まえてくるので、フクロウにとっても格好の狩り場になっているのだろう。雑木林を下れば田んぼに囲まれた印旛沼に出るので水場にも困らない。

町の真ん中には、地元の氏神を祀った大きな御神木が残されていて、子供の頃にはそこを寝蔵にしているフクロウを見た事もある。夜中に犬のワンの散歩に出た際に、飼猫のミーコが一緒についてきたのだが、御神木の下を通りかかった時、暗い樹上からそのフクロウが真っ黒い影になってミーコに襲いかかってきたのだ。どうやら獲物と思ったらしい。幸い(?)間一髪でミーコは難を逃れたが、なかなか面白い経験だった。

しかし、その御神木も近年、目に見えて痛みがひどくなってきた。何百年も山の中に居たのに、廻りの森を切り出されて孤立し、日常的に排気ガスに曝されるようになったせいだろう。数百年の樹齢からしたらわずかとも言える30年程の間の事なのだが、老木にとっては過酷すぎる環境の変化だったようだ。自然とはかくもデリケートなものなのか。

また、町の周辺の雑木林も荒廃が進んでいる。遠目に見ても、昔に比べて木の密度が減っているし、中に入れば下草は生え放題。台風などで倒れた倒木や土砂崩れの跡なども放置されたままで、だれも手入れを行っていない。雑木林を下りきった所には細い農道があるのだが、ここ数年は台風が過ぎると決まって押し流された倒木や枯葉などの土砂で通行できなくなっている。山の持ち主も高齢化しているし、人を雇ってまでして手入れをしても儲かる訳でもないから放置してしまう事情もわかるのだが、なんとかならんもんかね。

裏の畑も耕作するのはじいちゃんばあちゃんだけで、十年前には一部が駐車場に変わってしまった。このままいくと、今夜も恋の歌を歌っているフクロウの孫の孫の世代には、ここいら一帯も暮らしづらい場所になっているのかもしれない。それはやはり、寂しい話だよね。

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コメント

Qさんお久しぶりです。Mixiから飛んできました、Noviこと信子@ハワイです。
とってもいい所にお住まいですね。
悲しい話ですが、確かに手入れしないと雑木林も荒れていくんですよね・・・
私の両親は現在名古屋在住ですが、最近では近くの山の手入れにたまに参加しているようです。Qさんのお家の近くにも、一般の人が山の手入れに参加できるような機会があればいいのにね。

投稿: Novi | 2008/05/01 03:46

Noviさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

そうですね、周りの一般の市民が、もっと気軽に山に入って手入れ作業ができるようになるといいのですが。残念ながら、現在の雑木林の荒廃が、直接町に何らかの被害を及ぼしている訳でもないからか、地元の関心は今ひとつです。

それでも、最近は薪ストーブやガーデニングなんかが流行りですから、倒木や下草、落ち葉なら持って行っていいよ、とでも宣伝したら、結構人が集まるかもしれませんね。私の母の子供時代(昭和30年前後)は、まだこの辺りでもかまどを使う家庭が多く、雑木林で焚き付けになる枯れ落ち葉を集めるのが子供達の日課で、結果的にそれが山を手入れになっていたそうです。そういう、作業する人間にも無理なく有益になるような方策を考え出すべきなんでしょうね。

投稿: Q | 2008/05/01 15:19

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