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2008/06/27

天気晴朗なれど風強し【MotoGP第8戦イギリスGP】

霧のロンドンならぬ雨のドニントン、という印象が強いドニントンパークサーキットでのイギリスGP。しかし今年の決勝日は、雲は多いもののその合間からは爽やかな青空が見られる晴れのドライコンディション。ただし風が強かった。125ccクラス開始時点で秒速7.2m。テレビのマイクが風の音を拾いまくり、グリッド上ではパラソルガールが広げる傘を数人のチームスタッフが周りで押さえる姿も(←だったら閉じれば良いのに)。

125ccクラスは、今度こそドライで勝ちたい18歳のイアンノーネが5番グリッドから飛び出し、その後を自国GPで気合いが入る9番グリッドスタートのスコット・レディング15歳が追いかける展開に。今期ここまで、結構10代のライダーが活躍しているように感じていたが、意外にも実際に勝ったのは中国でのイアンノーネだけ。やはり勢いだけでは簡単に勝てないんだね。しかし酸いも甘いも噛み分けたハズの年長組は、パブロ・ニエトがオープニングラップで、チャンピオンのタルマクシも2周目で早々にリタイア。パッとしませんな。

お互いにファーステストラップを出しながらのイアンノーネとレディングの争いは、残り6周、イアンノーネの転倒で呆気なく片がついた。またしてもドライで勝てなかったイアンノーネ。着実に速さは身につけてきてるんだけれどね。結局、レディングがそのままトップでゴールし、GP優勝の史上最年少記録を更新した。さらにこれまた意外だったのだが、イギリス人ライダーの125ccクラス優勝は、実に35年ぶりだったという。どうりでイアンノーネが転けた時、歓声がスゴかったワケだ。

坂田選手が乗れていると言うポイントランキングトップの前戦優勝者、マイク・デ・メッリオが予選20番手から残り16周で一気に3位まで浮上、イアンノーネの転倒もあって2位表彰台獲得。3位にはこれまた15歳の体重30kgちょっとライダー(ちっちぇー)マルク・マルケスが入賞。未成年者が二人も表彰台に立ったせいで、用意されたシャンパンは一本だけ。最初、シャンパンガールから瓶を手渡された勝者レディングは、『え、俺? やっていいの? でもマズいんぢゃね?』といった表情で隣のデ・メッリオに手渡していた。デ・メッリオも優勝してたらまだ絵になったが、2位で一人でシャンパンファイトはやりづらかったろうなぁ。

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今回からニューシャシーが投入され、電気系とエンジンも少し改善されたという小山選手は、予選で今期最高の9番グリッドを獲得。トップグループには及ばなかったものの、中段グループでしっかりバトルして6位入賞。中上選手は予選こそ21番グリッドだったが、レースでは後半に抜群の追い上げを見せて初のシングル8位フィニッシュ。さぁここから巻き返しだ!

250ccクラスは5番グリッドからスタートの高橋選手が、もう少しでホールショットを取りそうな出足を見せてくれたので序盤大いに期待するも、またエンジンの調子が悪くなったそうでずるずると後退。完走を目標になんとか9位で走りきったが、マシンの性能差が出にくいここでポイント稼げなかったのは残念。

レースはまたしてもバウティスタとシモンチェリの争いに。ただ今回は、レース後半までシモンチェリが前でバウティスタが後ろといういつもと逆のパターンに。

今回、KTM勢はカリオとシモンにニューフレームを投入したらしい。そのせいかこの二人の調子がいい。カリオは予選こそ14番手と出遅れたが、6周目には6位に浮上。最終シケインやメルボルンヘアピンに、リアを大きくスライドさせながら進入する姿はとてもカッコいい。そしてタンクが軽くなるレース残り7周でサーキットレコードを叩き出し、一気にトップの二人に追いついた。

カリオが二人に追い付く少し前の残り8周、バウティスタがトップに出る。バウティスタ、シモンチェリ、少し遅れてカリオとなってレース残り2周、バウティスタとシモンチェリが1分32秒台のファーステストラップでカリオを引き離しにかかる。この二人の一騎打ちになるかと思われたその周の最終コーナー、シモンチェリが強引にバウティスタのインに進入、停まりきれずにラインを外してしまう。衝突を避けるためにバウティスタもアウトにはらみ、その隙にカリオがトップに躍り出て、カリオ、シモンチェリ、バウティスタの順に。結果的にバウティスタはこの時点で3位が決まってしまった。シモンチェリは必死にカリオを追いかけたが及ばず、そのままの順位でフィニッシュ。カリオはヘレスの再現のような漁夫の利だった。

収まらないのはバウティスタ。いつもは温厚なイメージのある選手だが、パルクフェルメでもインタビューでもシモンチェリに苦言を呈していた。まぁ、あの抜き方じゃそりゃ怒るよね。シモンチェリは今シーズン、何度か物議を醸すライディングをしていることもあってか、今回はかなり神妙な顔をしていた。絡んで転ばなかっただけでもラッキーだったと言うべきか。しかしバウティスタは、P.P取ると勝てない、という変なジンクスを抱えちゃった。かわいそうに。

MotoGPクラスはランキングトップのロッシにとって、GP参戦200戦目の区切りとなる記念のレース。こういう時のロッシは強運に恵まれているのだが、今回は予選、決勝を通じてチャンピオン、ストーナーが絶好調。レースの行方や如何に

レース前のウォームアップ走行でストーナーがいつも最後にグリッドにつくのは、暖めたタイヤをスタートまでに冷やさない為という辻本さんの解説には感心させられた。やはりチャンピオンになる人は細かい事にも神経を使うモンなんだなぁ。

レース開始とともに、そのストーナーが飛び出して行く。ロッシはスタートのタイミングこそ良かったが、その後マシンが伸びなかったように見えた。それでも2番手でストーナーを追いかけるが、早くもこの時点でストーナーとの差がつき始めていた。

そんな1コーナーで、地元の期待を背負ったトーズランドがスタート早々に転倒。

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今回、3クラス通じて一番かわいそうだったのはこの人だろう。右のステップを無くしながらも、地元ファンの声援に応える為に最後まで走り切ったが、ドンケツ単独走行で当然ポイント圏外のイイトコ無し。レース後に落ち込む彼を暖かく称えるファンの姿が素敵でした。

レースはストーナーがどんどん先行し、2番手以降の順位が激しく変動する展開に。序盤はドビィジオーゾの調子がいい。今回からニューマチックバルブエンジンを実戦に投入したヘイデンも、珍しく序盤から上位につけている。予選9番グリッドだったペドロサもヘイデンの後ろにつけている。

やがてロッシが三番手以降を引き離し始め、それに合わせてペドロサがドビィジオーゾ、ヘイデンをかわして追撃に入る。中盤でペドロサはロッシに追い付き、しばらく抜きつ抜かれつの2位争いが。今回、YAMAHAが調子悪いのかHONDAが調子いいのか、RC212Vの方がYZR-M1より直線での加速に優れていたようだ。ペドロサのエンジンは旧来のバルブスプリングだから、余計にYZR-M1の伸びの悪さが気になった。しかし、ペドロサのミスをキッカケにこの勝負は決着がつく。どうもペドロサは競り合いに弱い。

予選3番手フロントローを獲得したバーミュレンは、レースが進むにつれ徐々に順位を下げる事に。やはり雨が降らないと勝負にならないか。怪我を抱えながらも順当に走っていたホプキンスは、今期三度目のマシントラブル。以前、『三度目(のメカトラブル)は許さない』と言っていたけれど、今回は今週末のアッセンでの挽回に集中するとの事。しかし、SUZUKIとKawasakiは昨年の好調さが完全に影を潜めてしまった。一応ワークスなんだし、もう少し上位をかき回してほしいなぁ。カピロッシの代役のベン・スピーズが初MotoGP初サーキットで14位完走ポイント獲得できたことと、ここまで全くいい所がなかったアンソニー・ウエストが10位に入れた事は今後の明るい材料になっただろうけれど。

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2年連続AMAチャンピオン。なんかスゴいライディングフォームだ

序盤は元気のよかったヘイデンだが、やはりまだエンジンが完全ではないようで、順位が上がったり下がったりしているウチに、結局ずるずる下がって行ってしまった。でも新しいエンジンは彼のライディングには合っているようなので信頼性さえ上がれば面白い事になるかな。たまにはペドロサのハナをあかしてやろう。

結局、ストーナーが昨年のような強さを見せつけ、2位のロッシを6秒近く引き離して優勝。ロッシは200戦目を優勝で飾れなかった。ペドロサは3位に。ここにきて完全復活を遂げたストーナーはポイントランキングでも3位に浮上。ポイント差も45ポイントと、まだまだ挽回可能な位置にいる。これでますますチャンピオン争いが読めなくなってきた。

あと今回、怪我の影響から予選は17番手とふるわなかったロレンソが、レース後半にまたしてもすさまじい追い上げをみせて6位になっている。今回の上位三名にロレンソを足したこの4人を、2000年代の『四強』と呼んでもいいだろう。ミック・ドゥーハンがチャンピオンになってからこれまで『一人の強いライダー VS その他大勢』の図式が長く続いたGPだが、このままいけば少なくともロッシが引退するまでは、毎戦激しいレース展開を楽しめそうだ。ワクワクするね。

それと、ストーナーの復活はいいのだが、ドゥカティ自体はあまり状態良くなってないよね。サテライトの二人はともかく、メランドリがなぁ。今回ポイント圏外だもんね。なんとかしてやってよ。

おまけ。今回気に入ったパラソルガール

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足細っ

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