カテゴリー「文化・芸術」の9件の記事

2010/01/01

2010年

というと、木星がモノリスによって太陽になった年…。あの映画を見た当時は、どんな世界になっているものかと思いましたが。

ということで、新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしく。今年もこちらに年賀状をおいておきました。暇つぶしがてらごらんいただければ幸いです。

Catinforest
こちらの絵はアンドレ・ドュラントン(André Duranton)作の『ジャングルの中のネコ(Chats et plantes exotiques)45cm x 55cm』。ン十年前に新宿の小田急だったかにあった美術館で見たように記憶しています。大胆な絵柄、ドングリ眼の愛嬌のあるネコの顔がお気に入りです。特に意味はないのですが、寅年ということで、ご紹介です。

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2009/02/01

ベネズエラで時差ボケ

先月の後半、出張で南米のベネズエラに行ってきました。

今回、初めて時差ボケというものにかかり、最初の三日ほどは散々な目に会いました。キッツイねぇ、時差ボケって。まぁ眠いこと眠いこと。おまけに到着してすぐに、晩飯代わりに食べたカップケーキが悪かったのか、めずらしく胃の調子を崩して飯を満足に食べることができなくなってしまい、正直体調的にかなり厳しい旅行になってしまいました。結局帰国まで量を食べられなかったので、一週間で3kg痩せましたよ。wink

また、ずっと首都のカラカスにいたのですが、ここは南米一の治安の悪さでならした街。PNGも治安が悪いと言われていますが、被害報告を聞く限りではこっちのほうがずっとタチが悪そうです。幸い、比較的治安のいい所だけしか行かなかったので、特に怖い目にはあいませんでしたが、移動はすべて車で、勝手に出歩けなかったので(散歩もできなかった)、街の雰囲気をいまひとつ肌で感じることができず、ちょっとつまらなかったかな。まぁ、お仕事ですから、いいんですが。

でも今回の日程は週末を挟んでいたので、そんなウサを晴らすべく、土曜日にカラカスから車で30分ほどのところにある観光地、エル・アティージョという街に行ってきました。本当に小さい街ですが、ピンク、オレンジ、エメラルドグリーンといったパステルカラーに彩られたコロニアル風の建物が並び、いるだけで楽しい雰囲気に浸れるカラフルな街です。お土産屋さんやレストランが多くて、歩いた距離はほんの少しだけでしたが、いい気分転換になりました。ベネズエラに行かれる機会があったらお勧めです。

で、帰ってきて、今度は逆時差ボケ。どーしよー、昼間爆睡でぜんぜん夜眠れねーよ。bearing

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カラカス市街の様子。

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カラカスはガソリン代が安く、リッター当たりなんと5円sign02。そのせいか、車の量が半端じゃなく多く、毎日渋滞でした。街の中をほんの数km移動するだけで、平気で30分とかかかるから、時間を読むのが大変。

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結構ビルが林立してます。でも中には、傍目にも雑な工事をされているビルもちらほら。地震がきたら大変なことになりそうなレンガ造りビルとかありました。

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一見すると、そんなに治安が悪いようにも見えないんですけれどね。ここら辺は比較的治安の良い所らしいです。

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ベネズエラといったら石油が有名ですが、他の中南米国同様、コーヒー豆の栽培も盛んです。結構おいしい豆です。

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さらにベネズエラと言えば、忘れちゃいけないのはチ・ョ・コ・レ・ー・ト!happy02 とてもおいしいチョコレートが食べられます。バレンタインに向けて、日本でもベネズエラ産カカオ使用をうたったチョコレートが売られてますね。

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この山はアビラ山。カラカスは標高1000mの街なので、こんな感じでいつも雲が低いです。でもおかげで、赤道に近いわりには通年で快適な気候なのだとか。まぁ、PNGのGorokaみたいなもんだ。滞在中も快適でした。

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エル・アティージョの街並。カラフルでしょ?

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土産物屋で。クリスマス前にキリスト生誕の物語を人形にして飾る習慣があるそうで、その為の人形たちです。

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こちらもお祭りで使われるという悪魔のお面。デカッ!

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この国、見た目はバリバリの資本主義国家なんですが、実は社会主義。エレベーターガールも立派な仕事のようです。

途上国にはありがちですが、この国も貧富の差が非常に激しい国です。帰りの飛行機は朝一だったので、暗いうちに空港に向かったのですが、山という山の中腹からてっぺんまで明かりが灯っていて、とても綺麗でした。しかしその明かりは、山に勝手に家を造って不法に住み着いた貧民達の家の明かりで、どう見ても危険極まりない場所に多くの人が生活しているのが見て取れました。日が昇ってから飛行機の窓から見下ろした山には、マッチ箱のような小さい家がまるで藤壷のように密生していました。

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貧しい人たちが暮らす、不法占拠の住居群。

石油で儲けているのなら、もう少し富の分配をうまくやれないもんですかね。まぁ、憲法修正してまで自分の権力の維持に一生懸命なチャベスさんには、期待しても無理かなぁ。さてさて。

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2008/09/22

Sväng ハーモニカ・カルテット

昨日、船橋市のきららホールにて開催されたSVANG(スヴェング)というフィンランドのハーモニカ・カルテットのコンサートに行ってきた。このグループについての詳細はリンク先のWeb Siteを見てください。ハーモニカが特段好きと言う訳でもなく、なんとなくチラシに惹かれただけだったのだが、なかなか面白いステージだった。

こんなチラシ。
Svng

はじめの30分ほどは『世界でただ1人のハーモニカ博士』という、メンバーのヨーコ・クッハラ氏(見た目キューピーちゃんのような髪型をしてる人)によるハーモニカについてのレクチャーが行われた。クロマチック・ハーモニカは、3オクターブもの音の広がりを持っているのに、構造上ただ吸ったり吹いたりしただけでは出す事ができない音程がいくつかある。しかしハーモニカを愛する奏者たちによって、その欠落した音を再生する為の奏法が編み出され、現在では全音程を再現できるようになったのだそうだ。レクチャーの傍らで、やはりメンバーのエーロ・トゥルカ氏(披露はされなかったが、モンゴルの咽歌もできるとのこと)がその実演をしてくれたが、あんな小さい楽器を演奏するのに実にいろんなテクニックがあるものだと感心させられた。

20分の休憩の後に、四人のメンバーそろっての演奏がスタート。テンポの早い曲からスローな曲、明るい曲からしっとりした曲と、なかなか多彩な選曲だった。しかし、実際に目の前でハーモニカ吹いているから納得できるが、音だけ聞いていたらこれ全部がハーモニカだとはとても信じられないだろう。メンバーの一人、パシ・レイノ氏が演奏してた『ベース・ハーモニカ』というハーモニカは本当にベースのような音がしているし、ヨーコ氏が演奏していた沢山のボタンがついた『ハーモネッタ』というハーモニカはまんまアコーディオンだ。メンバーで一番モテるという赤毛のエーロ・グルンドストルム氏は演奏中に犬の鳴き真似までやってのける。演奏時間は一時間ほどだったが、期待していた以上に楽しいコンサートだった。ちょっと小屋の設備が貧弱で、PAの音があまり良くなかった事が残念。

公演終了後、CDとTシャツを買ってメンバー全員にサインしてもらいました。
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この後、浜松、厚木、札幌と公演を行うそうなので、面白そうだと思った方は是非聞きにいってみてください。彼らのアレンジした『ハウルの動く城』のテーマ曲なんか、オリジナルより雰囲気があっていいですよ。

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2008/07/20

4年後に想いを馳せて〜太平洋芸術祭開幕!!〜

今日は4年前から待ち望んでいた日になるはずだった。

今日から来月の8月2日まで、太平洋のアメリカン・サモアにて、第10回太平洋芸術祭が開催されるのだ。あと一月早く今の仕事が決まっていれば、ギリギリ行けたかもしれなかったのになぁ。スゴく残念だ。

もっとも、急に行けるようになったとしても無理だったかな。今回の大会を観に行くという知人達によると、以前から予想していた通り、大会期間中の宿の確保がかなり大変だったという。もともとアメリカン・サモアはあまり観光業が盛んではないようなので、ホテル自体が少なく、また二週間のお祭り期間中ホテル住まいでは予算的に厳しい。バックパッカーやYHのようなお手頃の宿もないし、有ったとしても一月二月前では絶対に二週間も押さえられないだろう。

アメリカン・サモア当局も、お祭り目当ての旅行者の宿の確保にずいぶん悩んだみたいで、大会Web Siteにはホームステイを受け入れる現地の一般家庭情報まで掲載されていた。だがこれがまた軒並み中級ホテルクラスの料金を掲げているとくる。まぁ、滅多にない稼ぎ時だから、吹っかける気もわからんではないんだけれどね。先に挙げた知人達は、それでもお祭りが観たい、と結局ホームスティを選んだそうだが、そこまでしてもお祭りを観ようと考えてくれる旅行者はそうは多くなかったようで、7月に入ったら宿の値崩れが起きたらしい。こちらもまたありがちな話だcoldsweats01

サモアと名のつく場所は今回のアメリカン・サモアと、かつて西サモアと呼ばれたサモア独立国がある。どちらもまだ行った事はないのだが、ホスピタリティに溢れた大洋州の中でも、サモアの人たちは一段とフレンドリーだと聞いていたので、初訪問を楽しみにしていた。また、過去二回の太平洋芸術祭で観た彼らのパフォーマンスは、リズミカルかつコミカルでとても見応えのあるものだった。特に男性陣がみんな、良い意味でアホっぽい笑顔をしていてお気に入りでもある。それだけに心底残念だ。そのうちいつか、せめて観光旅行ででも訪れてみたい。

前回、2004年のパラオ大会でのアメリカン・サモアのパフォーマンス

そんなこんなで、今回はもう諦めるとして、たとえ鬼が腹を抱えて涙を流して笑い転げようとも、4年後の次回は必ず行くぞ、太平洋芸術祭sign03 さてさて、第11回大会の開催はどこになるんだろう? 順番的に、メラネシア圏かな? ソロモンやバヌアツではまだ開催されていないはずだ。バヌアツなんか良いと思うんだがなぁ。いずれにせよ、あまり辺鄙な地域では開催しないでくれよぉ。

<08.08.27追記>
次回第11回大会はソロモン諸島で開催だそうです。その次の12回大会はグアムとの事。ポリネシア圏でのお祭りが見られるのはさらにその先かぁ…。

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2008/05/22

やっぱりカッコイイもんね

YouTube経由でメキシコからMailが来た。

まぁ、YouTube経由でMailが来る事は珍しい事ではない。これまでにも、私が上げた『太平洋芸術祭』の動画への感想や、他にも映像があるなら上げてほしいという要望、まれに出演者やその関係者からのビデオ譲渡依頼のMailなどがいくつか来ている。だが、今回のこのメキシコからのMailはちょっと違っていた。

この『Bamboo Music & Dance of Solomon Islands』という動画に映っているソロモン諸島サンタイサベル島グルー プを、地元の劇場で行われるフェスティバルに招待したいので、彼らの連絡先を教えてくれないか、というものだったのだ。

残念ながら、さすがに個別の参加グループの連絡先まではわからない。とりあえず太平洋芸術祭の主催団体の連絡先と、ソロモン諸島政府の文化関係と思わしき部署の連絡先を調べて返信しておいた。実際、メキシコ側がソロモンの彼らと連絡が取れるのか、その招待が実現するのかはわからない。でもこういったつながりの切っ掛けになれたことは少し嬉しかった。

つーかね、このソロモンのダンスは本当に最高にCoolでRockだよ。メキシコまで招待したいという気持ちはよく判る。できることなら私が日本に招待したいくらいだもの。ぜひ一度ご覧になってみてください。これが全部、竹の楽器と木の実の鈴だけでの演奏とは思えないくらいハイクオリティです。

メキシコにこのサウンドが響くといいなぁcatface

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2008/05/02

ひまつぶしに大量上げ(太平洋芸術祭)

ゴールデンウィークのひまつぶしに(かなしーcrying)、前から続きをやろうと思っていた、YouTubeへの太平洋芸術祭のビデオ映像アップを一気にやった。これで前回2004年第9回パラオ大会の手持ちの映像はほとんど上げました。やれやれ。

興味のある方はこちらをご覧下さい。mangiapo92の動画

YouTube使い始めてまだ8ヶ月ほどだが、正直このサイトはよくわからない事が多くて使いづらいと思う。機能もそうなのだが、なによりサイト自体の説明文等のローカライズが下手なんだよね。あと著作権がらみで10分を越える映像を投稿できないのも厳しい。せめて20分は上げられると助かるんだけれどなぁ。

まぁそうは言っても、やはりわーるどわいどな動画共有サイトだけあって、こんなマイナーな映像でも海外を中心にそこそこ反応がある(ニコニコ動画にもいくつか上げてみたのだが、客層が違い過ぎたようでサッパリ反応がないcoldsweats01)。まれに『これ、自分の村のメンバーの映像だよ、ありがとう!』なんてコメントがつくこともあり、嬉しくなりますね。

実は近年、途上国において、自国文化の著作権等を主張する動きが目立ってきている。サイモン&ガーファンクルの『コンドルは飛んで行く』への中南米からのクレームなどは有名な話だろう。太平洋芸術祭でも、最近のデジタルビデオカメラ&インターネットの普及などから、祭りの風景の撮影には非常に神経質になっていて、前回のパラオ大会では、現地の大会関係者の勘違いからあやうく警察沙汰になりかけて、とても不愉快な思いもした。なので、YouTubeに上げるのもどうかと思ったのだが、画像編集ソフトのiMovieの仕様の都合で画質はお世辞にも良くないし、なによりも太平洋の豊かな文化を広く知ってもらえるきっかけになれば、と強行してみた。ご覧になってみてお気に召しましたら、ぜひ周りの方にも勧めていただければ幸いです。

と言う事で。何度もここで告知していますが、7月から8月にかけて、アメリカン・サモアで第10回太平洋芸術祭が開催されます。今からだともう飛行機のチケットも、宿の確保も難しいかと思いますが、もしこの時期にアメリカン・サモアに行かれると言う方はぜひ芸術祭を覗いてみてください。映像のようなパフォーマンスが盛り沢山のとても楽しめるお得なイベントだと思います。見るだけなら無料のはずです。

かく言う私は、前回パラオ大会、前々回ニューカレドニア大会と、2大会連続で太平洋芸術祭に足を運んできたけれど、今回は残念ながら行けそうにない。くっそー、スゴい悔しい。まぁ、身から出た錆なんで、自業自得なんですけれどね。あーあsad

しゃーない。今度は第8会ニューカレドニア大会の映像でも上げてるかなsmile

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2008/01/18

Colour, like no other

ローマ:「スペイン階段」に50万個の6色カラーボール

 【ローマ海保真人】ローマの観光名所・スペイン広場にある「スペイン階段」に16日、突然、約50万個もの6色のカラーボールが放たれ、市の清掃員が除去に大わらわとなった。

 自称「芸術家兼活動家」のグラツィアーノ・チェッキーニ氏(54)が、「助手」3人と階段の頂上から赤、青、黄、緑などのプラスチックボールをまき散らした。ボールは一気に階段を転がり、広場の有名な「舟の噴水」をも埋めた。

 チェッキーニ氏は昨年10月、近くの「トレビの泉」に赤い工業用染料を投じ、泉を真っ赤にさせた“お騒がせの人”。今回は報道陣に「これは今日イタリアが抱える問題を表現する芸術活動だ」と説明。無数のカラーボールは左右両派の政治家たちが語る「うそ」の象徴だという。

 観光客は記念にボールを拾い始めたが、駆け付けた警官が一帯を通行止めとし、大勢の清掃員を呼び寄せた。市当局者は「受け入れがたい行為で不愉快だ」と語り、チェッキーニ氏と助手は拘束され警察署で取り調べを受けた。同氏には罰金が科せられる見通し。

毎日新聞 2008年1月17日 19時26分 (最終更新時間 1月17日 20時33分)

まぁ、この行動の内容云々はともかく、50万個ものカラフルなボールが階段を転がってくる様はさぞかし壮観だったことだろう。できればその瞬間を見てみたいものだ。

と思ってこのニュースを色々たどっていたら、SONYが海外で展開していた液晶テレビ『BRAVIA』のCMに辿り着いた。2005年放映のCMで、こちらは25万個のスーパーボールが、CGではなく本当にサンフランシスコの坂道を転がってくる。これが文句なしに美しい。こんな素晴らしい映像をなぜ日本で放映しないのか不思議なくらいだ。まずはご覧あれ。

スーパーボール特有のポップな色彩と気まぐれな動き、そしてその圧倒的な物量に、しばらく見とれてしまった。もっとクリアで大きな画面でも見てみたいが、こんな映像でもこれだけ迫力があるのだから、本当に生で見られたらさぞかし楽しいだろうなぁ。
(もっとも、CMではスローな映像と音楽が相まってずいぶんとメルヘンチックになっているが、実際には結構大変な撮影だったようだ。スーパーボールってとどのつまりは中身が詰まったゴムの固まりで、勢いがつくと結構なスピードで飛んで行くから、メイキング映像には撮影者が機動隊の盾みたいなのを使って身を守っている姿が映っている。)

この『BRAVIA』の海外CM、他のも見てみたが、結構大掛かりな内容であるにも関わらず、CG全盛期の今日にアナログ的手法で実際に撮影されており(編集時に多少CGで修正はしているが)、美しいだけでなく、とても引きつけられる作品になっている。さらにいずれも、どう考えても日本では撮影できないだろうなぁという映像で、見ていて壮快でもある。

こちらはとても意表をつかれた作品。撮影終了後の後始末も気になるが、NGとか出した時は大変だったろうなぁ。

ニューヨークの街角で200体のウサギの人形を使ってのコマ撮り映像。10万枚のスチール写真を使ったとの事。新宿じゃとてもできないよね。

ちなみに、同じ頃に日本で放映していたCMはこちら。

う〜む、これはこれで大掛かりで好きなんだけれどねぇ。でもやっぱり、上の三作品の衝撃にはかなわないかなぁ。なんで日本と海外で分けたんだろう?

いずれにせよ、これだけ鮮やかな色彩の群舞を見ていると、心なしか気分が明るくなってくる気がしてきますね。

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2008/01/04

『太平洋芸術祭』今年の夏はアメリカンサモアを目指せ!

今年2008年は、第10回太平洋芸術祭アメリカンサモア大会の開催年である。

太平洋芸術祭(Festival of Pacific Arts)とは、4年に一度、太平洋全域の国と地域の人たちが、ホスト国に集結して繰り広げる芸術と文化の祭典だ。祭りを主催するホスト国は大洋州の国と地域で持ち回りで担当する事になっており、今回はアメリカンサモアがその役を担う。開催期間は7月20日から8月2日までの二週間で、会期中毎日、それぞれの国や地域の伝統的な歌や踊り、文化などがすべて無料で公開される。

このお祭りのすごい所は、やはり大洋州全域の文化と芸術を一度にまとめて見る事ができるという点につきる。参加団体数は大体25前後、太平洋の西はグアム、パラオから、東はイースター島まで、南北で見てもハワイからオーストラリア、ニュージーランドまでと、とても広範囲を網羅していて、キリバス、ツバル、ウォリス&フツナ、ニウエ、トケラウと言った、普段あまりなじみのない国々、地域の文化も見る事ができる。仮にこれだけの地域を個人で廻ろうと思ったら、どエライ旅費と手間がかかってしまうだろう。メイン会場のステージで、毎日毎時間、入れ替わり立ち替わり演じられる伝統的な踊りや歌などは、本当に盛り沢山で見ていて飽きる事が無い。

私がこのお祭りを初めて知ったのは、協力隊でパプア・ニューギニアに行っていた時だ。前任者が第7回の西サモア(現サモア独立国)大会に、配属先の文化省のスタッフとして同行したと聞かされ、その記録ビデオを見せてもらった。そしてその後、2000年の第8回ニューカレドニア大会と、2004年の第9回パラオ大会をそれぞれ個人で観に行った。その時の模様をYouTubeに上げてあるので、興味のある方はぜひご覧になってください。

このお祭り、個人的には非常にお得で面白いお祭りだと思うのだが、どうも居合わせた日本人観光客や現地の日本人向け旅行会社の人たちにはあまり評判がよろしくない。まぁ、運営する側が何事ものんびりのんきな太平洋の人たちであり、途上国である事も多いので、いろんな点でツメが甘い事は事実だ。例えば前回パラオ大会では、二週間前になっても、日本のパラオ政府観光局になんの情報も無かった上、進行が掲載された大会パンフレットは開会して二日目くらいに出来上がっていた。また、各国からお祭りに参加するために、ホスト国に入る人たちだけでも2000人は超える筈で、もともとキャパシティの小さいホスト国への交通の便や宿泊施設が軒並み押さえられてしまい、普通の観光客への割当が無くなってしまうという問題もある。

なにより、日本人観光客は少ない日程をやりくりして海外に出てきている訳で、もともとのバカンスの予定に入っていないお祭りに関わっている時間をそもそも持ち合わせていないようだ。それでなくてもあまり日本では宣伝もされず、知名度も低いお祭りなので、現地に来て初めてお祭りの事を知る旅行者も多い。私はもともとお祭り目当の上に、その時の勤務先が理解があったり求職中だったりということもあって、それぞれ一ヶ月、二週間と比較的長い期間の滞在ができたが、まぁ一般的な日本の会社では、土日含めて一週間の休みが取れれば良い方だろう。せっかく休みが取れたのに、大会日程に重なったせいで飛行機が取れなかったり宿がとれなかったり、現地に入っても何かと不便を強いられたりと、顔をしかめたくなる気持ちもよくわかる。しかし、この大会に立ち会えた事は実はすごくラッキーで、滅多にできる経験ではないのだから、もう少し楽しんで行けば良いのに、と大会会場からそそくさと立ち去る日本人観光客を見る度によく思ったものだ。

アメリカンサモアはもともとあまり観光地としてメジャーな所ではない上に、日本からかなり遠く、行くのも宿を確保するのも大変だろうとは思うが、今年の夏休みにどこか変わった所に行ってみたい、と考えている方がいらっしゃったら、ぜひ候補にしていただきたい。地理的に今大会では、ポリネシア勢の活躍が期待できる。スパリゾートハワイアンズなどのショーでも見られる、いわゆるココナッツブラの腰フリダンス系ですね。ポリネシアは美男美女が多いので、それだけでも目の保養になりますよ。私もぜひ行きたい所だけれど、今回はどうかなぁ。色々厳しいけれど、前向きに検討したい!

余談だが、ヨーロッパでは企業に対し、従業員に年間三週間前後のリフレッシュ休暇を取らせないといけない、と法律で定めている国が多いそうだ。これのスゴい所は、あくまでリフレッシュの為の休暇なので、仮に休暇中に病気になって寝込んだ場合、それは療養であってリフレッシュではないからと、別に改めて休暇を取らせないといけないと言う。翻って普段の休暇どころか正月ですらカツカツの我が日本。人生を楽しむとは、如何なることなんだろうね。

2000年ニューカレドニア大会での写真。
こちらはアメリカンサモアの踊り。踊っているのは酋長の娘。
American_samoa

これぞポリネシアン。クック諸島の踊り。
Cookislands

大洋州では珍しいスペイン語を使用するイースター島(Rapa Nui)。ラテンとポリネシアの混血で、美男美女が多い。
Rapanui

地球温暖化で沈むと言われるツバルの人たち。
Tuvalu

YouTubeに上げてある2000年と2004年大会の動画はこちらから

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2007/09/02

キリバス、悲しき決断

「我が国は海に沈む」キリバス大統領が全10万人移住計画

 【タラワ(キリバス)=仲川高志】地球温暖化に伴う海面上昇により、国土が水没の危機にひんしている太平洋の島国キリバスのアノテ・トン大統領(55)は本紙と会見し、「我が国は早晩、海に沈むだろう」と明言。

 国家水没を前提とした上で、国民の脱出を職業訓練などの形で側面支援するよう、日本など先進各国に要請した。

 首都タラワの大統領官邸で、30日、インタビューに応じたトン大統領は、キリバスの水没は不可避との見方を強調、「小さな我が国には海面上昇を防ぐ手だてなどなく、どうしようもない」と述べた。国際社会の取り組みについても、「温暖化は進んでおり、国際社会が(2013年以降のポスト京都議定書の枠組みなどで)今後、どんな決定をしても、もはや手遅れだ」と明確に悲観論を展開した。

 また大統領は、温暖化に伴う海面上昇について「国民の平穏な生活を奪う『環境テロ』」と強く非難。京都議定書に参加しない米国、オーストラリアを名指しで挙げ、「我が国は存亡の危機にひんしているのに、高い経済水準を保とうとしており、極めて利己的だ」と批判した。

 大統領は、10万人近くに上る国民すべての移住政策を、政府がすでに本格的に検討していることも明らかにした。大統領は、「たとえ受け入れ国で人気のない職業でも構わない。『環境難民』ではなく『熟練労働者』として移住させたい」と希望を表明。そのためには、まず、キリバス国内で職業訓練や語学習得を行う必要があるとして、日本や米国、オーストラリアなどに支援を訴えた。

 側近によると、トン大統領は、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第4次評価報告書を重視。今世紀末に世界の平均海面水位が最大59センチ上昇するなどとした同報告書を「根拠」に、見通しを立てているという。

 ◆キリバス

 太平洋の赤道直下、東西約3900キロ・メートルにわたって点在する33の環礁から成る。ほとんどが海抜3.5メートル以下。人口は約9万9000人(2005年推計)。

(2007年9月1日9時57分 読売新聞)

自分たちの落ち度でもなければ、自分たちに何らかの恩恵がある訳でもないのに、故郷が海に沈み行く事を受け入れなければならないとは、なんと悲しい話だろう。トン大統領の言う通り、アメリカとオーストラリアはその利己主義を恥るべきだ。

また、私を含め、日本に暮らすわれわれも、この事については罪を負うべきだろう。便利な生活に慣れきっているわれわれは、便利さを追求するあまり日頃どれだけ無駄にエネルギーを使っているか、意外とわかっていない。例えば、日本全国どこにでも置いてある自動販売機全部が使う電気をあわせると原発一つ分になるという。

かと言って、一度手に入れた利便性、快適さは、なかなか手放せないものだ。今年の夏は温暖化を心底実感できる暑さであったが、だからクーラーを使わないで温暖化を防止しよう、という人よりも、温暖化は二の次、とにかく今はクーラーの設定温度を下げてしまえ、という人の方が多かったと思う。クールビズだチームー6%だとやってはいるが、エネルギーの浪費を抑えようという機運が高まっているとは言いがたい。

以前にも似たような事を書いているが、やはりこういった事を解決しようとする際には豊かな想像力が必要となる。温暖化が自分たちの生活や将来にどう影響するのか、といったことを考えるのは当然だが、なによりキリバスの人たちの立場で考えてみる必要があると思うのだ。よその国の連中がのうのうと暮らすツケで、自分の故郷が海に沈む。なんとも受け入れがたい話ではなかろうか?

しかし想像してみろと言われても、キリバスなんて国、聞いた事すらないのに感情移入なんかできるか!という方も多いだろう。私自身、キリバスに行った事はない。だがキリバスの人たちに直接接した事はある。2000年のニューカレドニアと2004年のパラオで行われたFestival of Pacific Arts、太平洋芸術祭の会場でだ。彼らが見せてくれたパフォーマンスは私のお気に入りの一つである。マスゲームのようなユニークな振り付け、女性の滑らかで可愛らしい腰の動き、そして美しいハーモニーを聞かせるその歌声。あまり画質のいい映像ではないが、YouTubeに2004年パラオ大会でのキリバスのパフォーマンスをUpしました。ぜひご覧になってください。10分きっちりあります。

こういった文化や芸術といったものは、多分にその生活環境に影響をうけている。それでなくても人口が多いわけではないキリバスが、その祖国を失い、移住先で人々が散り散りになってしまえば、あっという間に廃れてしまうだろう。それだけでも大変もったいない事だし、人類全体としても大きな損失だと思う。この映像をみて、素晴らしいと思ったあなた。明日から空調の温度設定には気をつけてみてください。

地球温暖化の影響による海面上昇のせいで国土が沈む国としては、同じく太平洋の環礁からなる国、ツバルも有名だ。こんな写真集も出ているのでこちらも機会があったらご覧になってください。こんな倹しい生活の彼らが、なぜ土地を追われないといけないのか? やはり深く考えるべきではないだろうか?

また、かれらのパフォーマンスもとても素晴らしい。集団でのタライドラミングと美しいハーモニー。そして、女性達のくったくのない明るい表情と愛らしい仕草。こちらも2000年ニューカレドニア大会でのパフォーマンスをYouTubeにアップしたので、ぜひご覧になってください。

こちらが2004年、パラオでのキリバスのパフォーマンス。

こちらが2000年、ニューカレドニアでのツバルのパフォーマンス。

※The 10 th Festival of Pacific Arts、
 第10回太平洋芸術祭は、
 来年2008年7月から8月にかけて、
 アメリカンサモアで開催されます。
 詳細はこちらのリンク先をご覧ください。

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