先日ジャッカルチャンバーがまた破損して、ノーマルチャンバーに戻した我がSDRだが、やはり、高回転域でのエンジンの伸びがどうしても欲しくなって、ちょっとした小金が入った事をいい事に、衝動買いしてしまいました。
忠男レーシング謹製のレーシングチャンバー、
『KING Cobra』。
発売されてから今年で三年目くらいだろうか? 27ピースで、2速で100km/h出す事を目標に作ったという、SDR乗りにとって現時点ではもっとも垂涎のチャンバーである。
このKING Cobra、同じ忠男つながりでもSP忠男のジャッカルチャンバーとは違ってキャブのセッティング変更を必要とする。おまけに、私が購入したのは黒い塗装がされた方だったのだが(メッキチャンバーはもう売り切れていた)、この塗装がツヤのある耐熱塗料を使っている上に、ちゃんと乾く前に梱包したらしく、プチプチの跡が残っていた。やっぱバイクのマフラーの、特にYAMAHAのレーシングチャンバーはツヤ消し黒でないと、という思い入れのある私は、どうしてもこの安っぽいツヤが気に入らなかったので、今日一日かけてキャブのセッティングとツヤ消し黒塗装を行う事にした。
いつもバイクの作業をする時、私の悪い癖で行き当たりばったり、勢いで初めてしまって、あとであのパーツがない、このネジはちゃんと絞めたっけ?という事が多いので、今日はじっくり作業する心づもりで、段取りと下準備を入念に行う。必要なパーツを確認、工具類はすぐに使えるようにきれいに並べる。サービスマニュアルを広げて読めるようにして、チャンバーの説明書に軽く目を通す。塗装のための保護ベニアも準備した。我ながらほれぼれするような下準備の入念さだ(しかし、やはり後でどんでん返しが待っていたのだよ、アケチくん(T_T))。
まずは、KING Cobraの再塗装から。庭の水場に回って、耐水ペーパーで軽く表面を擦る。プチプチの跡を削り穫ってから、中性洗剤で全体を洗い、きれいなウェスでよく拭き取り、しばらく斜めに立てかけて干しておく。溶接の隙間などに水が入っている事があるからだ。以前これで、吹いたばかりの塗装面の上に水が流れ出し、大変な目にあった事があった。人間、学習するもんだね。
それから、バイク本体に戻って、キャブの作業にかかる。タンクを外し、キャブを外し、ノーマルチャンバーを取り外す。KING Cobraは分離給油でも、多少は混合した燃料を使用した方が安全だというので、外したタンクに先に2st Oilを入れて、かき回しておく。
このあたりで一回、KING Cobraのチャンバーに戻って、乾き具合を確認、塗装に入る事にする。まずは片面にツヤ消し黒の耐熱塗料を吹いておいた。
さて、キャブの作業を開始する。まずは全部開けてみて、詰まっているジェット類や、ニカワになったガソリン、錆などないか確認する。前に開けてからこちらもかれこれ3年くらいたっているだろうか。幸い、中はキレイなもんだった。パーツクリーナーで穴類の貫通を確かめたあと、メインジェット、パイロットジェット、ニードルジェット、PWJの栓止めなど、指定されているセッティングの変更を行った。しかし、175番だったメインジェットが230番になるとは。かなり燃費悪くなるんだろうなぁ。
キャブを組み上げてから、また再び塗装作業へ。今度は反対側に塗料を吹き付ける。やはりツヤ消し黒のチャンバーはイイ。TZみたいだ(^_^;。カックイイ〜。
組み上げたキャブをインマニとインテークの間に戻し、ガソリンタンクを戻して、パイプ類を取り付ける。まだチャンバーの塗装が乾いていないので、暇つぶしを兼ねて、割れたジャッカルチャンバーを持ち出して来た。Yahooオークションにでも出してみたら、ひょっとしたら自分で溶接できるような人が欲がるかもしれない。溶接できないまでも、たぶん、この程度の亀裂なら2、3000円くらいで直るだろう。ただ、またすぐ割れる可能性が高いが、かといって、このまま捨てるのも忍びない。そんな事を考えながら、亀裂の入っている部分の塗装を耐水ペーパーで落とし、全体を掃除した。あんまりきれいにならなかったが、まぁ、中古の中古だからね。ジャンク品ということで(^_^;。
エンジン側にフランジを取り付け、塗装が乾いたKING Cobraのエキパイ側にOリングをつけて、デイトナの液状耐熱ガスケットを塗る。ガスケットが硬化するまでの間、遅い昼飯をとる。昼前から作業を初めて、この時点で3時前。怖いくらいに順調に事が進んでいる。やはり下準備ってヤツは大切なんだよ、うんうん。チキンラーメンを食べながらそんな事を考えていた。まさか、その直後にあんな事が起きるとはつゆとも知らずに。
しばしの休憩を取った後、ついにチャンバー本体の取り付けにかかった。まず、フランジにスプリングを取り付け、ステップ側のネジにチャンバーを固定するステーを引っ掛け、エキパイをフランジにかぶせ、かぶせ、かぶせ、かぶせ、かぶせ、、、、、
かぶさらない!!! どーゆーこっちゃ!?
液状ガスケットを盛り過ぎたか、と考えたが、まだ完全に固化していない液状ガスケットなんか、何の抵抗にもならない。いったん、後ろのステップ側を外し、エキパイ側だけに集中してみると、すっぽりと根元までフランジにかぶさった。
???
再びチャンバーのステップ側のステーを軽く車体に引っ掛けて、エキパイを入れようとしてみる。今度はなんとか入ったが、入らなかった理由が判明した。なんと、サイレンサー取り付け部分が、完全にスイングアームに干渉していたのだ。メッキスイングアームには無惨にも黒いツヤ消し塗料の傷がついていた。おまけに、この状態ではサイレンサーを取り付ける事ができない。
慌てて忠男レーシングに電話してみると、
「もともとその部分のクリアランスはほとんどないが、干渉するという事は聞いた事がない。SDRのエンジンはそのマウントの性格上、多少位置がずれている事もあるので、個体差なのかもしれない。本締めして、少し手で引っ張ってみてください。」との事。
で、実際やってみたが、ぜーんぜんだめ。サイレンサーに繋がるパイプを手前に引っ張ってみると、今度は内側で、チャンバー本体がリアサスのリンクに干渉してしまう。
ここで改めて、説明書を読んでみたら、一番最初の紙にこんな事が書いてあった。
『マフラーの取り付けは、マフラー交換作業の手順に従い仮締めで取付けを行い、マフラー本体が、ウィンカー・カウル・ステップ・スイングアーム等の、車体に干渉していない事を確認後、本締めを行ってください。車体への干渉・接触等もしくは取付けに不備の有る場合は、マフラーを使用せずお買い上げ頂いた販売店もしくは弊社迄ご連絡ください。』
『尚、取付けに不備がある状態での装着・使用後は、返品・交換・クレーム処理の対象より除外させて頂きますのでご注意ください。』
だって!
とほほ、干渉確認も何もする前に、いきなり塗装しちゃったからなぁ。クレーム対象外かなぁ。だとすると入念なはずの下準備、一番最初のところでトチっていた事になっちゃってるよ。もっとも、チャンバーだけ送り返して見てもらっても、キャブのセッティングも済ませてあるからその間ノーマルチャンバーで対応って訳にも行かないし。
は〜ぁ。
どうも物事が順調に進みすぎると思っていたが、どうやら私はこういうトラブルの星の元に生まれているようだ(T_T)。
で、結局、後ろのステップ側ステーの取付け位置を、ノーマルと同じステップ内側ではなく、外側に無理矢理止める事でなんとかクリアランスを稼ぐ事にした。これならかなりゆとりがある。駄目モトで忠男レーシングにはその旨再び電話して話してみたところ、
「今度、乗って来てくれたら様子をみます。(船橋まで乗っていくの大変なんだよなぁ)、申し訳ないから、ダイノジェットサービスしますよ(ラッキー!、その言葉、忘れないでくれよぉ)。あと、たぶん右側のバンク角が足りなくなっているだろうから、それだけは気をつけて。」
と言ってくれた。
とりあえず、乗れるようにはなったし、乗ってみなければどう不具合がでるかわからないので、エンジンに火を入れてみる。多少不安があったが、キック数発ですんなりエンジンがかかった。ジャッカルチャンバーにも似た、ノーマルチャンバーではあり得ない排気音。かなりうるさいが、やっぱり、チャンバーのこのパラパラいう音はいいなぁ。混合ガソリンに、オイルポンプも少しいじって、吐出量をあげていたので、紫煙だらけになるかと思っていたが、意外と煙は出てこない。まだ薄いのか? 耐熱塗料を定着させる必要があるので、しばらくアイドリングで放っておいてから、試乗に繰り出した。
正直、もっとピーキーなチャンバーかと思っていたが、意外と低速域でも扱いやすい。ジャッカルよりいいかもしれない。ただ、全体を通じて、ノーマルチャンバーのようなトルク感はほとんどない。しかし、どこまでもエンジンは軽く回っていき、ある程度の回転域を超えると鋭く加速していく。気がつくとメーターはとんでもない数字を指している。公言通り、2速で100km/hも出た。使える回転数が上に増えた分、これまでとはまた扱い方を変えないといけないな。特にこの2速、3速は、ワインディングやトミンなどではかなり有利な武器になるはずだ。また、今日は5、6速までは使えなかったが、高速道路もかなり楽になるだろう。ともかく、この軽い感覚と鋭い加速はマジでクセになりそう。今まで以上に後方確認を怠らないようにしよっと(^^)。
しかし、やはり取付け位置が違うせいか、リアブレーキを強く踏むと、ペダルがほんの少し、チャンバーに当たってしまう。この取付けのトラブルさえなければ、性能にはほぼ満足、かな。
あと、惜しむらくは、SDRの特徴だったエキパイ部のトグロがなくなったのがチト残念(^_^;。

上から、ノーマルチャンバー
ジャッカルチャンバー
KING Cobraチャンバー

KING Cobra装着の我が愛機
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